メカ屋がAIエンジニアになって感じた強みと弱み

はじめに

全く別職種であるメカ設計からのAIエンジニアへの転向した結果、
始めは出来ない事ばかりで、非常につらい時期もありました
(特に転職した最初の時期など…)

ただ、続けていくと分かってきましたが、
メカ設計者として得てきたスキルが、AIエンジニアになっても役に立つことが意外と多くあります

今回はその強みと弱みについてまとめてみたいと思います
異職種からAIエンジニアになろうとしている方など、
誰かの役に立ってほしいところもありますが、

自分の思い出としても書いておきたいなと思いました笑

弱いところ

弱いところはいくらでもありますが…
特に自分が能力として足りていなかった部分を挙げていきます

  • 開発環境に関する知識
  • プログラミングスキル

とにかく、圧倒的に知識が足りなかった笑

前職はメカ屋なので基本的にITに疎い人ばかりで(自分もそれに漏れず)
ソフトウェアエンジニアが何たるかさえ理解してないような状態でした

そんなところで独学でプログラミングからAIまで使う様になったものの、
転職するとやはり足りない事ばかりあることに気づきます

開発環境に関する知識

これは結構最初辛かったです

独学で勉強を始め、しかもMATLABから入った私にとって、
チームでの開発も、LinuxもDockerも、VSCodeのような統合開発環境も、
すべてが初体験でした

なのでとにかくコードを書ける状態になるまでが遠いこと遠いこと…
やりたいと思ったことが全然できなかったことが辛かったですね

でも使っていくうちに慣れるものではあるので
勉強しつつ今は何とかなっているくらいのレベルです
(もちろん困ったら調べるか聞きます)

プログラミングスキル

これもとにかく足りませんでした

  • プログラムを書くようになって2年くらいしか経っていない(経験不足)
  • 前の会社では独学で一人でやっていたため、他人のコードを見ることがほとんどない&自分のコードを見てもらうこともほとんどなかった
  • データサイエンスが多く対話的な実行が多かったため、あまりコーディングについて意識することが無かった

のが主な理由かなと思います
まあこれは…当然ですね笑

今は他人のコードを見る機会も増え、
またコードレビューの機会などの増えたので、
昔よりはましになったかな、と思います笑

強いところ(活かせるところ)

とはいえ、意外と活かせるスキルもありました

  • 問題解決力
  • チームマネジメント力

でもこう書くと、
メカ屋の専門的なスキルはほぼ役に立ってないですね笑
まあAIエンジニアがメカ図面を読む事なんて皆無ですから…

メカ屋だと身につきやすい、いわゆる「ポータブルスキル」が役に立ってるのかなと思います

AIエンジニアであっても、もう少し工場に近い業務を持てば直接役立てられると思いますが…

問題解決力

これはメカ屋、というより実験をするエンジニアならではの強みかもしれません

例えばメカ屋として新製品を開発するとき、
これまでにない技術を開発するために実験を繰り返すわけですが、
当然、思ったようにいくような実験はほとんど無く、失敗を繰り返すことになります

そうやって日々問題にぶち当たるので、「問題解決力」が非常に重要になってきます

例えば、ある穴の寸法を1mm大きくして実験したとき
想定では良い結果がはずなのに、良くなるどころか悪い結果が出てしまった

このとき、
「実験のやり方が良くなかった」
「ばらつき・誤差の中でたまたま悪い結果が出た」
「悪い結果が出ることが正しい」
色々と要因が考えられます

そして、例えば「悪い結果が出ることが正しい」場合、
そもそもの理論が間違っている可能性があり、
設計自体を見直す必要があるかもしれないことに気づきます

こういった「実験における問題解決力」こそ、
実は今、AIエンジニアとしての強みになっていると感じることがあります

AIエンジニアは通常のソフトウェア開発と違って
(とはいえ、私も全部知っているわけではないですが…)
どうすれば性能を出せるかといったところは試行錯誤の面が強く、
現状分析、対策立案、実験、検証、といった
問題解決のサイクルが通常のソフトウェア開発より多く含まれるのかなと感じます

そういった問題解決プロセスの本質的なところはメカ屋でやっていたこととほとんどど変わらないので、
メカ屋であったことも無駄ではなかったなと思いますね笑

チームマネジメント力

これはわりとメカ屋(設計者)であることによる強みだと思います

車や家電などのハードを作り上げる場合、
当然様々なエンジニア(メカ、エレキ、ソフトの各設計や評価)が関わって作るわけなんですが、
メカはその中で特に重要な、中心的なポジションを担うことになります

なぜなら、モノができる過程において、最終的に出来上がるのは物理的なハードであり、
結局はメカ屋の領域に戻ってくるからです

例えば、回路設計はエレキ(電気)のエンジニアが行いますが、
基盤になった後にそれをどのように物理的に組み込むかなどはメカ屋の領域になります

また、工場においての量産においても最前線に立つのはメカ屋です

そのため、
どのように各部署をとりまとめ、
全体としての日程を立て、
設計し、生産までこぎつけるのか、
総合的なマネジメントはメカ屋がやる事になります

こういった経験から、マネジメント力が意外と身についてたんだなと思うことがあります

AIエンジニアとしても関連する部署、企業との協業やチーム内の調整などは当然多くありますし、
特に今はAIエンジニアとは言えども同じ製造業なので、
自分の強みにはなっているんじゃないのかなと思います

さいごに

意外なところで意外なスキルが役に立つ、という話は、
メカ設計者⇒AIエンジニアにキャリアチェンジするときに限った話ではないと思います

(スキルを身に付ける上で)無駄な仕事だな…と思うこともありますが
そんな仕事でも本気で取り組めばどこかでそのスキルが役立つこともあると思うので、
何事もできる限り本気で取り組もうかな、と改めて思った転職活動でした

きゅうこん

きゅうこん

元メカ設計者、現なんちゃってAIエンジニア。実験データを分析しているうちにプログラミングとAIのスキルを習得(?)職業何ですか?と聞かれたときに何と答えるべきかを考える日々。 Qiita: https://qiita.com/kamome885

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