ディスプレイを自作する①とりあえず動くところまで

はじめに

普段、仕事ではノートPCの画面 + 外部ディスプレイの2画面で作業をしているんですが、
会議中の内職や常時Teamsを表示するなど3画面目が欲しくなってきました。
ただもちろん、ディスプレイを買うとそこそこ高い。
そこで目に入った使っていないVAIO。
ノートの画面って外部ディスプレイにできるのでは…?

(この記事でLinux化はしてみたんですが…結局用途が思いつかず眠らせたままだった)

10年前のVAIO(VPCCA3AJ)にUbuntuをインストールする
10年以上前から使っていた古いVAIOを活用するために、LinuxにOSを変更してみることにしました。ディストリビューションはUbuntuにしました。ところがなぜか22.04-ltsをインストールすると起動できず、20.04-ltsをインストールすることに。。

ということで今回は使わないノートPCの画面をを外付けディスプレイにしてみた話です

作業の流れ

どうも調べてみると、

  1. 液晶パネルの型番を調べる
  2. それに合ったLCDコントローラを購入する
  3. つなげればOK

という非常に簡単な作業で実はディスプレイ化できてしまうそうです

画面まわりを分解する

カバーの前面を取り外す

まず液晶パネルの型番を調べるんですが、パネルの裏側のシールを確認しないといけないため、
画面のまわりを分解してパネルを外す必要があります。
このVAIOの場合、画面周りのカバー前面と背面の部品がビス止めされているので、
まずねじの目隠し兼閉めたときの緩衝材に使っている、ゴムを取り外します。
爪でも簡単に取れました。

その後、ねじを取り外します。
ねじを取り外した後は、カバーの前面を外していくんですが、
マイナスドライバーを隙間にねじ込みながら外していきます。
パッチン爪がいろんなところについているので、
折らないように気を付けながら外します。

下辺はいったん画面をほぼ閉じてから外して行くと外しやすかったです。
両面テープでも固定されているので、ゆっくりはがしていきます

外れました!
(自分と部屋が映り込みまくっていたので黒塗り…)

液晶パネルを取り外す

次に、パネルを取り外します。
上下左右に4点ビスで固定されているので、外すと簡単に取れました。
外した裏面はこんな感じ。シールが貼ってあります。

該当するLCDコントローラを購入する

シールを確認すると、
「CLAA140WB01A」と型番が確認できます
以下のサイトでパネルの詳細を調べられるみたいです
https://www.panelook.com/

私の液晶パネルは以下のようです。
https://www.panelook.com/CLAA140WB01A_CPT_14_LCM_overview_2642.html

重要なところを抜粋してみました

Panel SizeResolutionSignal InterfaceLamp Type
14.0"1366(RGB)×768, WXGA, 112PPILVDS (1 ch, 6-bit) , 40 pins Connector
WLED , 15K hours , With LED Driver

この情報をもとに、amazonでLCDコントローラを購入します
AliExpressの方が安いそうですが、300円くらいしか変わらなかったので
今回はamazonで購入することにしました

Amazon.co.jp: VSDISPLAY HDMI DVI VGA 映像 液晶制御基板 対応 10.1インチ 14インチ 15.6インチ 解像度1366x768 40ピン LVDS液晶 LP101WH1 N101BGE CLAA101WA01A HSD140PHW1 N140B6 N156B6 B156XTN03 : パソコン・周辺機器
Amazon.co.jp: VSDISPLAY HDMI DVI VGA 映像 液晶制御基板 対応 10.1インチ 14インチ 15.6インチ 解像度1366x768 40ピン LVDS液晶 LP101WH1 N101BGE CLAA101WA01A HSD140PHW1 N140B6 N156B6 B156XTN03...

1366x768、LED、40pinを選択すると、
14インチも対応しているようなコメントだったのでこちらを選択してます。
対象リストには記載されていなかったので若干不安でしたが、
最終的に問題なく使えたので正解でした。

動作確認

翌日LCDコントローラが到着したので、まず動作確認をしてみます。
コントローラはこんな感じのシンプルな箱に入っており、
端子などがついたメインの基盤と、スイッチ類の基盤に分かれています。

電源は12V2A以上が推奨されていましたが、
とりあえず家に転がっていたBAFFALO製WifiルータのDCアダプタ(12V1.5A)の端子が一致したので、
まずそれを使ってみることに。

液晶パネルの端子に購入したLCDコントローラの端子を接続しておき、
普通のディスプレイと同じようにHDMIで接続、電源ボタンを押すと…

映った!
思った以上にスムーズにここまで行けたので拍子抜けでした笑

カバー(蓋)の部分を筐体から取り外す

ここがちょっとこだわりたかったところ。
パネルだけ取り外してそのまま使ったり、自作の枠を作ってる方が多いようですが、
正直見た目が悪いし強度も非常に落ちる。。
なのでできるだけ元の筐体を活かすことにしました。

ケーブル類を外す

液晶がついていたカバー(蓋)側には、液晶につながるケーブルのほかに、カメラ、アンテナ?のケーブルがつながっていました。
カバー側を本体(キーボードがついている側)から分離したいのですが、
そのためにはケーブル類を外す必要があります。

まずは液晶パネルにつながっているこのケーブル。
テープで固定されているんですが、
簡単に剝がせなかったのでカッターで切ることにしました。
特にロック等もなく、引き抜くと簡単に取れました。

次にこのカメラ。なかなか外れなかったので、
まず白いコネクタをカメラから引き抜いておきます。

結局後で取り外しましたが、
両面テープで固定されていましたので強めに引っ張ると外れました。

次にこのアンテナ。
どうもWifi用のアンテナのようです。
これはビスで止まっていたのと、シールのような部分(印字してある部分)がアルミシートに貼り付けられているので、
こちらも剥がしてしまいます。

アンテナの反対側は端子になっており、Wifiの基盤に刺さっていました。
これも普通に引っこ抜けば取れました。

(PCを通常使う位置に置いたときに)左側は液晶パネルのコネクタ、カメラのコネクタになってました。

裏返して背面のカバーを取るとこんな感じです。
画像の〇で囲んだヒンジをコードが通ってきているので、
うまく角度を変えながらヒンジ部分から取り外します。
反対側もアンテナのコードが通ってきているので、同様に取り外します。

カバー(蓋)を取り外す

ケーブル類が取れたら次はカバー(蓋)を外します。
まずヒンジを固定している2か所(左右で4か所)のビスを外します。
(ほこりがたまって汚い…)

次に、ヒンジを少し開いて(結構力が要ります)、
写真のような状態(カバーを半開きにしたときにヒンジが浮いている状態)にします。

外れました!(この時はまだカメラはつけたままだった)

ケーブルと干渉する部分を削る

ここで問題が一つ。
元の「L字」型になっていたケーブルと違い、直線となっているため、
写真のように筐体から真っすぐ出てしまい、カバーの筐体内に収めることができません。
(カバーを組み立てるとケーブルとカバーが干渉してしまう)

なので、仕方なくここからケーブルを外に出すことにし、
干渉する部分をカッターで削ることにしました。
削るとこんな感じ。

前側の黒の部品も削ると、こんな感じでケーブルを外に出すことができました。
思ったより見栄えも気にならないので大丈夫そう。

組み立てる

ここまでできたら、あとは組みなおします。
まず
最初と同様、ケーブルと液晶パネルのコネクタが外れないよう、テープで固定しておきます。
次は液晶パネルを最初と同じ位置にビスで固定し、
あとは外した時と同じ要領でカバーの前面と背面をはめ込んでいきます。
最後にビスで4隅を止めると、

じゃーん。
思ったよりよさげな感じです。
自立はしないので今は100均のタブレットスタンドで立ててます。

宿題

とりあえず使うには問題がないものの、
自立しないので別個のスタンドを使ってしまっていることや
基盤がむき出しになっておかれてるのもあまりよくないしカッコ悪い。

せっかくヒンジも残っているので、
ヒンジを活用して自立し、基盤を格納できる筐体を作りたいと思います。
3Dプリンタが活躍するかな…?

後日談

筐体も3Dプリンタで作りました

ディスプレイを自作する②3Dプリンタで筐体を作る
古いノートPCを分解してディスプレイ化し、さらに筐体も自作してみました。3Dプリンタ用のデータも公開します。

S.N

S.N

元メカ設計者、現AIエンジニア(画像認識)。よく言えば何でもできるが悪く言えば器用貧乏。

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